「ラミネートトラス(山形)」は、ディメンションランバーを38 mmの隙間を明けながら 奇数枚と偶数枚の部材を構成し、互いに差し込みビス接合して簡易に組み立てるフィンク トラスである。部材は上弦材・下弦材・束材・斜材の4種類である。接合部における応 力 伝達は基本的に多面せん断ビス接合を用いており、加工と組立の効率化をはかっている (一部に支圧接合を採用)。

上弦材は、ディメンションランバー210 ~ 212 を材厚分である 38 mmの隙間を設けながら3 ~ 5 材を束ねて構成する。上弦材の総長(頂部から軒先まで)が最大定尺 20 フィートを 超える場合には、上弦材中間部に継手を設ける。上弦材には、鉛直荷重時に圧縮軸力・曲 げモーメント・せん断力が生じるが、中間部で束材によって支持することで、曲げモーメ ントとせん断力を低減する。上弦材の横座屈は、屋根面に OSB や構造用合板などで構 面 をつくることで拘束する。

下弦材は、ディメンションランバー208 ~ 212 を材厚分である 38 mmの隙間を設けながら2 ~ 3 材を束ねて構成する。下弦材は総長がディメンションランバーの最大定尺長である20 フィートを超えるため、中間部に継手を設けている。下弦材には、鉛直荷重時に引張軸 力が生じるが、屋根面が暴風時に屋根自重を超える負圧を受ける場合は圧縮軸力が生じる 可能性があるため、下弦材天端に 210 を載せて釘打ちすることでフランジ部をつくり、束 材と屋根面の母屋材と方杖で構成した振れ止めによって横座屈を抑える。

束材は、鉛直荷重時に圧縮軸力が生じるためディメンションランバー 404 ~ 120×120 を単 材で用いる。束材は、屋根面が暴風時に屋根自重を超える負圧を受ける場合は引張軸力が 生じる可能性があるため、両端部は引張に耐えられる接合仕様として、上端部は上弦材に、 下端部は斜材にホゾ差ししてビス接合する。

斜材は、ディメンションランバー210 を材厚分である 38 mmの隙間を明けながら 2 材で 構成する。斜材は、鉛直荷重時に生じる束材の圧縮軸力を下弦材とともに引張軸力で吊り 合わせる役割を持つ。屋根頂部における上弦材との接合では、部材の干渉を 避けるために、 少し偏心して上弦材に差し込みビス接合する。