OSB Oriented Strand Board
配向性ストランドボード

OSBとは
OSB(Oriented Strand Board: オリエンテッド・ストランド・ボード)は、北米で住宅の構造用下地材として開発された面材であり、ストランド(細長い短冊状の削片)の向きを揃えて並べて(オリエンテッド: 配向性を持たせて)作られたボードを互いに直行させて層をなした面材のことです。
原料である丸太を削片にし、これを接着剤で高温圧縮して再構成することによって、原木の利用範囲を拡大し、製材として利用不可能な材を加工することで節、繊維傾斜等の木材が持つ欠陥を取り除き、なおかつ、パネル状にすることで一定の強度を保つことができます。
その用途として、住宅・中層大規模木造建築物の屋根、壁及び床の下地材となる構造用面材として幅広く使用されています。また、内装用仕上げ材としても、そのユニークな表面表情を利用して使用される事例が近年増えています。その他には、面内せん断性能が高い(構造用合板の2~3倍)という特性を活かして、I型梁のウェブや複合構造用断熱パネル(SIP)にも使用されています。
日本に輸入されるカナダ産OSBパネルは全てJAS認定を取得しており、日本市場における普及促進活動はAPAエンジニアード・ウッド協会(APA)が担っています。APAは日本の農林水産大臣が認めたカナダ産OSBパネルを含むエンジニアード・ウッド製品のJAS認定機関(登録外国認定機関 Registered Overseas Certifying Body -ROCB)でもあります。
APAはカナダ産OSBパネルの大臣認定を取得しています。釘の種類や間隔を変えることによって、より高い倍率が得られます。壁については在来軸組工法で4件、枠組壁工法で2件の大臣認定を取得しています。APA大臣認定を使用する場合、カナダ産のOSBを使うことを推奨します。
在来軸組工法
| 製品名 | 厚み | 釘間隔 | 壁倍率 | 仕様 |
| OSB | 9mm | CN50 @ 75/150mm | 4.1 | 大壁 |
| OSB | 9mm | CN50 @ 100/200mm | 3.2 | 大壁 |
| OSB | 9mm | CN50 @ 75/150mm | 3.8 | 大壁床勝ち |
| OSB | 9mm | CN50 @ 75/150mm | 3.4 | 受け材真壁床勝ち |
枠組壁工法
| 製品名 | 厚み | 釘間隔 | 壁倍率 |
| OSB | 9mm | CN50 @ 50/100mm | 4.7 |
| OSB | 9mm | CN50 @ 75/150mm | 3.6 |
OSBの開発と普及
OSBは、1956年に北米で開発され、原木コストの上昇、合板適材の供給量の低下に伴い、1980年代初頭には構造用面材の1%であった生産量が現在では70%に急増しています。北米新築住宅市場のOSBのマーケットシェアは約80%です。
OSBの原材料

原材料にはアスペンやポプラなどの広葉樹とスプルース、ロッジポールパインやサザンイエローパインなどの針葉樹があります。日本向けカナダ産OSBは、40~70年で伐採される小径木で早期自然再生可能な広葉樹アスペンが一般的です。
これらの樹種は持続可能な森林経営により安定的に供給されています。
森林経営についての詳細は以下のリンクをご参照下さい。
OSBの構成要素

OSBの構成要素は、一片の大きさが、幅13~19mm、長さ70~130mm、厚さ0.6~0.7mmの短冊状の削片(ストランド)です。ストランドを作る時に出る廃材や樹皮は燃料として利用されるので、原木歩留まりは90%近くになります。生産に関わるバイオマスエネルギー*比率は70%に達します。
*バイオマスエネルギー:バイオマスから得られるクリーンかつ再生可能なエネルギーを指します。バイオマスには伐採された原木、枝や根などの残留物、農業廃棄物、家庭や産業の有機ゴミ、エネルギー作物などがあります。
OSBの製造工程

工場は24時間稼働で、製造ラインも大きく9フィート×24フィート(2,745mm×7,320mm)または12フィート×24フィート(3,660mm×7,320mm)のサイズのOSBが製造されています。大盤から使用サイズに切断できるので、特注サイズも可能で、設計のバリエーションが広がります。
OSBは連続プレスまたは多段プレスで製造されます。製造方法の詳細はこちらから。
OSBの特性

ストランドは繊維方向の向きを揃えて、それを直行に積層しボードにします。表層をパネル長手方向に配向、芯層はそれと直行させて配向させます。3層から5層で構成されています。配向することで繊維方向の強度を最大限に利用しています。
カナダ産OSBパネルでは耐水性・耐久性に優れた接着剤を使用しており、表層にはフェノール樹脂接着剤が、芯層にはイソシアネート系樹脂接着剤が用いられています。特にイソシアネート系樹脂接着剤はホルムアルデヒドを含まないので、カナダ産OSBパネルは「F☆☆☆☆」の表示が印刷されています。
OSBの規格
日本では、1987年に制定されたOSBの日本農林規格JAS0360: 2019「構造用パネル」があります。また、パネル表面にはAPAの性能基準を合格したスタンプが押されています。(事例は下記の通りです。)


カナダ産OSBパネルの入手先
OSBはすべて輸入材で、60~70%はカナダ産です。日本におけるカナダ産OSBパネルの入手先:
APAメンバー在日企業
ウェストフレーザーパシフィックセールスリミテッド東京事務所
〒105-0003 東京都港区西新橋3丁目23−5
Tel:03-3432-8145 e-mail: michihiro.hiratsuka@westfraser.com
技術サポート・よくあるご質問 (F.A.Q.)
1. OSBとは
Q1-1 OSBとはどのような材料ですか?
OSB(Oriented Strand Board、配向性ストランドボード)は、北米で住宅の構造用下地材として開発された木質系面材です。「ストランド」と呼ばれる短冊状の削片を構成要素としています。ストランドは、幅13~19mm、長さ70~130mm、厚さ0.6~0.7mm程度の大きさです。
OSBの特徴は「Oriented(配向された)」という名称の通り、ストランドの繊維方向の向きを揃え、それを直交に積層して製造しているところにあります。通常、表層をパネル長手方向に配向し、芯層はそれと直交させて配向させた3層又は5層構成になっています。
Q1-2 OSBの縦・横の強度は異なりますか?
木材は異方性のある材料で、繊維方向の強度が大きいという性質があります。このため、ストランドを配向することによって、繊維方向の強度を最大限に利用し、その結果、高い曲げ強度を得ることができます。
OSBは縦方向(ストランド方向)がおよそ2~3倍強くなるように設計されています。ただし、OSBはエンジニアード・ウッド*ですので、特殊用途として縦・横の強度を同じにすることも可能です。
*エンジニアード・ウッド:工学的に製造され強度性能が保証された木質材料
Q1-3 OSBはどのように製造するのですか?
まず、原木から「フレーカー」(ストランダー)と呼ばれる機械でストランドに切削します。そして、ストランドをドラム式の乾燥機で乾燥させ、接着剤を添加します。
次に、「オリエンター」と呼ばれる機械で、ストランドの向きを揃えます(配向フォーミング)。ここでは、一定間隔で平行に多数配置されたブレードやディスクを振動、交互運動又は回転させ、上部からストランドを落下させることによって、ブレード等を通過する間に方向を揃えています。
そして、ホットプレスで熱圧してボードにした後、適切な大きさに裁断します。
Q1-4 OSBの原料はどのような木材ですか?
カナダ産のOSBの原料樹種は、主に雑木であるアスペン(ヤナギ科の温帯広葉樹、学名 Populus tremuloides Michx.)が最も多く、ロッジポールパイン(針葉樹)が使われています。その他のOSBには、米国南部のサザンイエローパイン(針葉樹)、欧州産針葉樹のほか、雑多な広葉樹も利用されています。
アスペンは、元々短命な樹木で、樹齢が100年を超えることはまれです。利用する場合は、通常40年~70年で伐採しますが、伐採後は切り株の部分から非常に早く自然再生します。アスペンは、山火事などの後でも自然再生することが知られています。
OSBは、アスペンのような他には使用方法のない未利用材や小径木、間伐木などを原料としているため、資源の有効利用という観点から非常に優れた建築材料です。また、樹皮や廃材はボイラー燃料にしていますので、原木歩留まりは90%弱と非常に高くなっています。
カナダやアメリカにはFSC、CSA、SFIといった森林認証プログラムがありますが、これらの認証を取得し、認証林から原材料を調達している製造メーカーもあります。
Q1-5 OSBはどのような接着剤を使っているのですか?
OSBに使用する接着剤は製品によって異なりますが、フェノール樹脂やイソシアネート系樹脂が一般的です。フェノール樹脂は耐水性、耐久性に優れ、イソシアネート系樹脂はホルムアルデヒドを含まないなどの特徴があります。また、配向層毎に異なる接着剤を使う場合もあります。
フェノール接着剤の接着力を示す、次のようなエピソードがあります。マヌア・アラという貨物船が1941年オレゴン州ハモンド沖で沈没しました。この船は、現在OSBに使用されているフェノール樹脂接着剤で作られた合板を運搬していました。14年後、海底にあった船が動き、これらの合板が海岸に打ち上げられました。驚いたことに、これらの合板はパンクも無く、色々な建築物に有効に再利用されたということです。
OSB完成品の重量に占める樹脂の割合は、2.5~5%程度です。OSBよりも構成要素の小さなPB(パーティクルボード)やMDFと比べると、より少ない量で接着することができます。
Q1-6 それぞれの接着剤の特徴を教えてください。
フェノール樹脂接着剤には、粉末タイプと液体タイプがあります。両者の化学特性は似ていますが、一般的に粉末タイプの接着剤は液体タイプの接着剤に比べ、ストランドに精巧に塗布させることが難しいと考えられています。液体タイプの接着剤は、最新鋭の接着剤塗布機械を使用し、接着剤調合機(ブレンダー)で大量の接着剤をストランドに塗布するので、非常に精巧に接着剤を塗布することができます。
粉末タイプの利点は、折れ曲がったストランドの内側まで効果的に入り込みやすいことです。切削機が古いと折れ曲がったストランドが出てしまい、それを取り除く設備のない古い工場にとっては有効です。
イソシアネート系樹脂は液体タイプが使われます。イソシアネート系樹脂はフェノール樹脂と比べて、より強く、より早く接着することが可能ですが、一般的にはコア(内層)にのみ使用されます。これは接着力が非常に強く、プレス機の熱盤にくっついてしまう傾向があるためです。
Q1-7 OSBの等級と厚さの関係を教えてください。
日本では、1987年に制定されたOSBの規格「構造用パネルの日本農林規格(JAS)」があります。
JAS規格では、曲げ性能に応じてOSBを1級~4級に区分しています。これは、屋根及び床下地として用いる場合の、垂木及び根太間隔を想定しています。1級に近づくにつれて曲げ性能が高くなりますが、壁下地には4等級から使用できます。
JAS規格の各等級に対して、様々な厚さのOSBが用意されています。一般的な等級と厚さの関連は次表の通りです。
構造用パネルOSBの等級と厚さ(F☆☆☆☆製品)
| 等 級 | 厚 さ (mm) | 主な用途 |
| 4級 | 9、9.5 | 壁下地 |
| 3級 | 11、11.1、11.5、12、12.5 | 屋根下地 |
| 2級 | 15 | 床下地 |
| 1級 | 18、24、28、30 | 床下地 |
Q1-8 OSBはどのような用途に使えるのですか?
OSBは、構造や内装など様々な用途に使用することができます。最近、日本でも店舗などの内装にOSBが表しで使われているのを見かけることがあります。実際には、屋根、壁や床の構造用下地材としての利用が大部分を占めています。配向の効果によって曲げ強さや曲げヤング係数は構造用合板と同様に、住宅用の床や壁の下地材としては十分な強度性能を持っています。
その他には、面内せん断性能が高い(構造用合板の2~3倍)という特性を活かして、I ジョイストのウェブや複合構造用断熱パネル(SIP)に使用されています。
2. 物理的性質について
Q2-1 OSBの寸法の規格(長さ、幅、厚さの公差)を教えてください。
OSBの寸法は、JAS規格で次のように規定されています。
- 表示された寸法に対する測定した寸法の差が、
- ①幅及び長さについては+0mm、-4mm以下
- ②厚さについては、16mm以下のOSBでは±0.8mm以内、16mmを超えるOSBでは±5%以内であること。また、
- ③対角線の長さの差が4mm以下であることも規定されています。
Q2-2 OSBの密度はいくつですか?
OSBの密度は製品によって異なりますが、0.65g/cm3程度です。参考までに構造用合板の密度は0.55g/cm3程度です。
Q2-3 OSBの厚さ方向の膨潤はどの程度ですか?
OSBに限らず、木質ボード類は製造時に大きな熱圧変形を受けるため、含水率の変化(吸水・吸湿)によって、厚さ方向へのはね戻り(スプリングバック)を生じることがあります。
JAS規格に規定されたOSBの厚さ膨張率の基準値は、吸水厚さ膨張率試験(72時間散水)木口から75mmで24%以下となっています。ただし、カナダ産OSBの一つの例(エインズワース社製OSB 厚さ12mm)として、財)日本合板検査会で行ったJAS規格の吸水厚さ膨張率試験は6.97%という結果が出ています。
しかしながら、OSBだけではなく構造用合板などの木質材料全般は、そもそも常時水分にさらされるような使用は想定されていません。長時間高湿度が維持される場所や直接水のかかる場所への使用は避け、施工中は室内か屋根のある場所に保管してください。適切に使用すれば*、非常に優れた建築材料と言えます。
*Q5-7 「2-3mmの隙間を設ける理由」をご参照ください。
Q2-4 OSBは厚さ膨張が発生した後、乾燥することによって再び縮みますか?
OSBは厚さ膨張が起こり、その後、乾燥すると若干収縮する傾向があります。ただし、厚さ膨張全体の約1/3から1/2は、乾燥しても元に戻りません。
Q2-5 OSBは厚さ膨張が発生した後、反り、曲がり、ねじれはどの程度発生しますか?
OSBは厚さ膨張により反り、曲がり、ねじれが生じるという傾向はありません。反り、曲がり、ねじれは、厚さ膨張が起こりうる状況下で、OSBに無理な力がかかっている時に生じます。
Q2-6 OSBは合板等と比較して、どの程度反りますか?
「反り」という現象は、主に合板のように単板の木目がパネルの長さ全体にかかっている製品に発生します。湿気の浸入によってパネル全体に対する内部応力が発生した場合、反りが発生しやすくなります。また、PB(パーティクルボード)やMDFの場合は、その構成要素が削片(パーティクル)及び繊維(ファイバー)のため、長期に側面からかかる圧力に有効に対抗できず変形してしまいます。
OSBは横方向のストランドがパネルを変形させる内部応力に対抗するため、反りに対して最も強い製品と言えます。また、OSBはストランドが大きいために、側面からかかる応力がストランド全体に移動し、パネルの変形を防いでいます。
Q2-7 OSBの内側と外側の含水率はどのくらい違いますか?
OSBの生産時点においては、含水率は内側も外側も同じです。また、中心部とエッジ部分の含水率にも差はありません。
3. 強度性能について
Q3-1 OSBの曲げ強さや曲げヤング係数の規格を教えてください。
OSBの曲げ性能は、JAS規格で次のように規定されています。常態曲げ試験及び湿潤曲げ試験の結果、次の表の計算式によって算出した数値以上であることとなっています。それぞれの試験方法については、JAS規格に示されています。
試験項目 |
等級 |
曲げ強さ |
曲げヤング係数 |
||
強軸方向 |
弱軸方向 |
強軸方向 |
弱軸方向 |
||
常態曲げ |
1級 |
7,056/h2 |
2,107/h2 |
29,890/h3 |
8,820/h3 |
2級 |
5,537/h2 |
1,666/h2 |
13,230/h3 |
3,920/h3 |
|
3級 |
3,675/h2 |
1,127/h2 |
6,860/h3 |
1,960/h3 |
|
4級 |
2,156/h2 |
637/h2 |
3,430/h3 |
980/h3 |
|
湿潤曲げ |
1級 |
3,528/h2 |
1,078/h2 |
14,700/h3 |
4,410/h3 |
2級 |
2,793/h2 |
833/h2 |
6,860/h3 |
1,960/h3 |
|
3級 |
1,862/h2 |
539/h2 |
3,430/h3 |
980/h3 |
|
4級 |
1,078/h2 |
343/h2 |
1,470/h3 |
490/h3 |
|
(注)
|
|||||
Q3-2 OSBの面内せん断性能はどの程度ですか?
OSBは面内せん断性能が高く、構造用合板の2~3倍の値を示します。このため、せん断強度が要求される壁や、I ジョイストのウェブに最適な材料です。
合板やOSBなどの面内せん断性能を比較した次のような試験結果があります。
| 厚さ (mm) | 密度 (g/cm3) | せん断強さ (MPa) | せん断弾性係数 (GPa) | |
| ラワン合板 | 9 | 0.57 | 5.31 | 0.446 |
| ラーチ合板 | 9.5 | 0.65 | 4.55 | 0.513 |
| カナダ産針葉樹合板 | 9.5 | 0.51 | 4.17 | 0.556 |
| OSB | 9.5 | 0.65 | 8.44 | 1.34 |
| MDF | 9 | 0.76 | 11.1 | 1.16 |
| 注)測定はASTM D 2719-96 Method Cによる。 出典:「木材工業ハンドブック改訂4版」丸善、p619、2004 | ||||
Q3-3 OSBのくぎの保持力はどの程度ですか?
OSBのくぎの保持力は、パネルの密度によって変化しますが、合板、PB(パーティクルボード)、MDFとほぼ同等です。OSBのくぎ耐力性能については、JAS規格で次のように規定されています。
- くぎ接合せん断試験において、最大耐力を4で割った値が686N以上であること。
- くぎ引抜き試験において、最大引抜き耐力が88N以上であること。
それぞれの試験方法については、JAS規格に示されています。
なお、くぎ引き抜き試験及びくぎせん断試験について、以下のような試験結果があります。
| OSB | 構造用 MDF | ラワン 合板 | CSP | OSB | ラワン 合板 | OSB JAS規格 | |
| 厚さ (mm) | 9.5 | 9.0 | 9.0 | 9.5 | 12.0 | 12.0 | - |
| くぎ引抜き試験 (kgf) | 17.7 | 8.9 | 30.1 | - | 19.7 | 37.0 | >9.0 |
| くぎせん断試験 (kgf/本) | 131.9 | 109.8 | 145.9 | 175.2 | 132.4 | 145.0 | >70.0 |
| 注) OSBは、カナダ産OSB(エインズワース社製)のJAS製品 | |||||||
Q3-4 OSBは吸水後に強度が落ちますか?
一般的に、木質材料は水に濡れると木材の繊維が弱くなるため、強度が低くなる傾向にあります。JAS規格では、湿潤後(72時間散水後)でも十分な曲げ強度があり、損失を約50%と見ており、OSBの曲げ強度はこの現象を考慮して規格化されています。
Q3-5 OSBの壁倍率はいくつですか?
OSBを用いた耐力壁の壁倍率は、木造軸組工法は昭和56年建設省告示第1100号に、枠組壁工法は平成13年国土交通省告示第1541号に規定されています。
木造軸組工法では、N50くぎを15cm以下の間隔で打ち付けた場合に2.5倍です。枠組壁工法では、CN50くぎを外周部10cm以下・中通り20cm以下で打ち付けた場合に3.0倍です。いずれも、構造用合板と同じ倍率になっています。
APAでは、近々、より高い壁倍率の大臣認定を取得する予定です。
4. 耐久性について
Q4-1 OSBは日本の厳しい気象条件下で、20~30年間耐えられますか?
OSBは、決められた屋根材や壁材が正しく施工されているという条件下では、激しい温度差、高湿度に20~30年間耐えることができます。OSBは比較的温湿度変化に影響されにくい製品として認知されており、北米では年間平均が0℃以下の日が195日、-18℃以下の日が62日あるアラスカ州から、年間平均が32℃以上で、湿度が77%以上の日が120日あるフロリダ州まで、幅広い地域の様々な気候の中で使用されています。
また、OSBは1980年代から本格的に生産が開始され、現在まで1億m3以上の使用実績があることからも、OSBの耐久性が高く評価されていることがわかります。他の木質材料と同じように、一定荷重下における頻繁な湿度や温度の変化は長期使用によるたわみや変形を増加させる傾向がありますが、PB(パーティクルボード)やMDFと比較して長期使用によるたわみの影響が少ない安定した製品であることが知られています。
下記の写真は、13年間経過して取り壊した静岡県内の住宅展示場において、OSBを使用していた箇所です。OSBは、壁下地材とI ジョイストのウェブ材として使用されていましたが、共に劣化は見られませんでした。

Q4-2 合板等と比べて、OSBの耐久性はどの程度ですか?
OSBと構造用合板は、現在の市場で耐久性のある下地材として認知されています。構造用合板の耐久性は、最も過酷な気象条件ではOSBを若干上回るものと思われますが、OSBも事実上合板と全く同様に使用され、建築規定上必要とされる強度や耐久性に適合しています。
下地材としての劣化の多くは、窓枠、ベランダ、出窓などの複雑な施工が必要となる部分から水分が入り込むことに起因しています。水分の浸入による問題は、設計や施工技術によって解決できますので、もともと常時水分に曝されることを想定していない合板、OSBの水分に対する耐久性の違いを比較することはあまり重要ではありません。
PB(パーティクルボード)やMDFは、長期使用によるたわみなどの物性変化が起こりやすいと言われ、その点では合板やOSBが優れています。
Q4-3 OSBは、蟻害や虫害の懸念がありますか?
OSBが他の木質製品よりもシロアリ、害虫の影響を受けやすいということはありません。
Q4-4 OSBは腐朽菌やカビに弱くありませんか?
OSBが合板等と比べて腐朽菌やカビに弱いということはありません。一般的に、木質材料の含水率が20~25%を超え、適度な温度が一定期間続くと菌類の発生する環境となります。OSBの高温高圧の生産工程において菌類は生存できません。住宅下地材として使用された場合のOSBや合板の含水率は8~13%となりますが、菌類が生長するのに適した環境ではありません。
木材や木質パネルにカビを発生させないためには、施工の際に雨に濡れないようにすること、窓等の開口部やバルコニーなどの防水処理を適確に行うことが重要です。
Q4-5 OSBによる暴露試験は行っていますか?
APAには、6ヶ月と12ヶ月間の暴露試験データがあります。6ヶ月と12ヶ月という暴露期間は、考えられる建築工事の遅れを想定して決められています。この試験期間内では、OSBは十分に耐えました。
ただし、OSBは恒常的に屋外に曝されて使用されることは前提となっていないことを考慮し、適切な設計、施工をお願いいたします。
Q4-6 より水に強いOSBはできますか?
厚みの膨張を抑えるためには、接着剤・ワックスを大量に入れることや、特別な防水処理コーティングを施すことなど、いくつかの方法があります。詳細は各メンバー会社(Q7-1)にお問い合わせください。
5. 施工面について
Q5-1 OSBをカットした部分は防水処理が必要ですか?
OSBをカットした後、エッジ処理をする必要はありません。OSBは建築中の湿気に対抗できるように開発されています。
なお、エッジシールは、輸送、保管の間の極端な天候からOSBを保護するために用いられています。
Q5-2 施工後、OSBの木口が膨らむのを防ぐにはどうすればよいですか?
木口の膨らみを抑える最も良い方法は、施工中、雨に当たらないように防水紙等で被うことです。屋根や壁下地の用途で濡れてしまった場合、OSBが乾いてからその後の施工をしてください。床下地にて木口の膨れが発生した場合は、乾いた後にサンダーをかけることが有効です。このサンディング処理によって、ジョイント部分はフラットになるので、仕上げフロアの貼りあがりを妨げることはないでしょう。
Q5-3 T&G(本実)加工はできますか?
OSBには、T&G(本実)加工することができます。APAでは1998年に、屋根・床の形状を標準化するため、本実加工の形状を開発しました。
雄実部分の厚さ膨張率は、他の部分の膨張率と大きく変わりません。T&G形状は厚さ膨張、エッジシールを考慮して設計されています。
Q5-4 モルタル下地として使用する場合の注意点はありますか?
モルタル仕上げにおいてクラックを防ぐには、モルタル材料、調合、塗り厚に注意する必要があります。下地部分においては、下記の点に注意が必要です。
- 通気胴縁を入れる。
- アスファルトフェルト430以上を正しく張る。継ぎ目、開口、出隅、入り隅部分は特に注意する。
- メタルラス、ワイヤラスを正しく張る。継ぎ目、開口、出隅、入り隅部分は特に注意する。
Q5-5 野地に曲げて使うことがありますが、何度の曲げまで耐えられますか?
曲げ角度の最大許容値は、一般的にはOSBと合板は同じと考えられています。パネルの曲げ角度の最大許容値は、名目上の厚みと曲げる方向によって決められており、パネルを曲げることのできる最小半径として表します。一般的な厚みの曲げ最小半径は、次のとおりです。
| 厚み(インチ) | 乾燥時曲げ半径(フィート) | |
| 幅方向(ストランドの 繊維方向に垂直) | 長さ方向(ストランドの 繊維方向に並行) | |
| 1/4”(6.4mm) | 2’(609.6mm) | 5’(1,524.0mm) |
| 5/16”(7.9mm) | 2’(609.6mm) | 6’(1,828.8mm) |
| 3/8”(9.5mm) | 3’(914.4mm) | 8’(2,438.4mm) |
| 1/2”(12.7mm) | 6’(1,828.8mm) | 12’(3,657.6mm) |
| 5/8”(15.9mm) | 8’(2,438.4mm) | 16’(4,876.8mm) |
| 3/4”(19.1mm) | 12’(3,657.6mm) | 20’(6,096.0mm) |
Q5-6 OSBは、住宅金融支援機構のフラット35S(優良住宅支援制度)で使用することができますか?
構造用パネルのJAS規格に適合するOSBは使用できます。通気工法として、地面からの高さが1m以内は防腐・防蟻処理をしてください。詳しくは、住宅金融支援機構の「木造住宅工事仕様書」「枠組壁工法住宅工事仕様書」をご覧ください。
Q5-7 APAが推奨するパネルの隙間(すきま)はどれくらいですか?また、隙間の重要性は?
APAは特にメーカーによる記載がない限り、全てのパネル(OSB、構造用合板)の端と端に約1/8”(2~3mm)の隙間を推奨しております。隙間は重要です。何故なら木は含水率に対して膨張、収縮するからです。平衡含水率へ落ち着くまで、含水率の低い木質材料は膨張、含水率の高い木質材料は収縮する傾向があります。OSBは前者に属するので、施工中にパネルの端と端の隙間はパネルの座屈の危険性を最小限に抑えます。
APAの推奨する隙間約1/8”(2~3mm)は、典型的な4’x8’(1220mmx2440mm)のパネルに対し、通常の状況で施工される場合です。大型パネルを使用する場合、または厳しい湿度条件を推定している場合には、必要な隙間を増加することがあります。
6. 安全性について
Q6-1 OSBからホルムアルデヒドは発生しますか?
接着剤を使用した材料の場合、ホルムアルデヒドの放散などが懸念されますが、OSBからのホルムアルデヒド放散は殆んどないという試験結果が出ています。そもそも、イソシアネート系樹脂はホルムアルデヒドを含んでいません。フェノール樹脂でも、ホルムアルデヒドの残存含有量は非常に少なく、安定しており、硬化後には殆んど放散しません。ホルムアルデヒド放散量の最も厳しい等級であるF☆☆☆☆基準の最大値は0.4mg/Lですが、施工後初期段階のOSBのホルムアルデヒド放散量は最大0.06mg/Lと、非常に少なくなっています。
Q6-2 OSBからVOCは発生しますか?
1997年3月に、フォーリンテック・カナダ(Foreintek Canada)で、OSBのVOC放散試験を実施しました。試験片は、北米のOSB生産者から無作為に抽出され、ASTM(American Standard Test Method)D51 97-92の試験方法に基づいて実施されました。
同機関はOSBから計測されたVOC放出量は2~3ppbであると結論付けました。また、人体に悪影響を及ぼすベンゼン、トルエン、キシレン、エチルキシレンは全く検出されませんでした。
Q6-3 OSBを燃やした時に黒煙が出るのはなぜですか?
どのような木材製品であっても、低い温度で燃やされた場合に黒煙が発生します。ワックスをベースとした木口処理剤を使用しているパネル製品は、それらが低い温度で燃やされた場合に微量の黒煙を発生します。黒煙の大部分は、炭素と不十分に燃焼されたセルロースの大きな粒子によって構成されています。高温での燃焼は木材繊維をより完全に燃焼させることができ、黒煙を大幅に減少させることができます。
Q6-4 OSBを燃やすと有害物質が発生しますか?
OSBの焼却灰には、他の木材建材製品以上の有害性はありません。焼却灰は埋め立てなど、通常の木材の焼却灰と同様に処理してください。
Q6-5 OSBの耐火性能はどの程度ですか?
北米では、一般的に耐火性能は「フレーム・スプレッド・レイト」で測定されます。木質面材のフレーム・スプレッド・レイトは、その厚みや含水率によって様々です。しかしながら、OSBとカナダ針葉樹合板(ダグラスファー合板)との間に耐火性能について著しい差はありません。下表に、製品別のフレーム・スプレッド・レイトを示します。
実際の建築物の耐火性は、建築方法や仕様に大きく依存します。
| 耐火処理済 製材 | 製材 | MDF | ダグラスファー 合板 | OSB | ラワン 合板 | PB (パーティクル ボード) |
| <25 | 70-140 | 100-144 | 84-145 | 130-155 | 126-160 | 87-161 |
7. 入手方法・その他について
Q7-1 OSBはどこで入手できますか?
OSBは、日本国内では製造されていないため、すべて輸入品となります。カナダ産又はヨーロッパ産が中心で、カナダ産OSBの占める割合が全体の60~70%程度です。カナダからは、過去20年間に亘って、日本へ安定供給を続けているという実績があります。
カナダ産OSBを入手するには、APAエンジニアード・ウッド協会のメンバーで日本事務所を持っている下記の企業にご連絡ください。
| 企業名 | 住所 | Tel/Fax/Email |
| インターレックス フォレスト プロダクツ ジャパン リミテッド (製造元:Norbord社) | 〒102-0083 東京都千代田区麹町5丁目4番地 セタニビル8F | TEL:03-6261-1320 FAX:03-3237-4880 Email:osb@interexjp.com |
Q7-2 OSBのレギュラーサイズの実寸法はいくらですか?
3’×6’から3’×10’の実寸法は下表の通りです。
| 公称 | サイズ |
| 3’×6’ | 910mm×1,820mm |
| 3’×8’ | 910mm×2,440mm |
| 3’×9’ | 910mm×2,730mm |
| 3’×10’ | 910mm×3,050mm |
Q7-3 国内で入手可能なOSBのサイズ(大きさ、厚さ)は?
OSBの流通サイズ
| 構造用 ・JASのスタンプが押されています。 | |||
| 厚さ | 幅 | 長さ | 備 考 |
| 9mm | 910mm | 1820mm | |
| 9mm | 910mm | 2440mm | |
| 9mm | 910mm | 2730mm | |
| 9mm | 910mm | 3050mm | |
| 9mm | 1000mm | 2440mm | |
| 9mm | 1000mm | 2730mm | |
| 9mm | 1000mm | 3050mm | |
| 11mm | 910mm | 1820mm | |
| 11mm | 910mm | 7320mm | |
| 15mm | 910mm | 1820mm | T&G(本実加工あり) |
| 24mm | 910mm | 1820mm | T&G(本実加工あり) |
| 28mm | 910mm | 1820mm | T&G(本実加工あり) |
| 内装用 ・表面サンダーがけを施し、JASスタンプ表示なく、木口のエッジシールもないため、より内装用に使用しやすいOSB | |||
| 厚さ | 幅 | 長さ | 備 考 |
| 8mm | 910mm | 1820mm | (両面サンダーがけ) |
| 8mm | 910mm | 2730mm | (両面サンダーがけ) |
| 9.5mm | 910mm | 2440mm | (片面サンダーがけ) |
| 9.5mm | 1220mm | 2440mm | (片面サンダーがけ) |
Q7-4 OSBの納期はどのくらいですか?
例えば、壁下地として使用する場合、下表のサイズについては常に在庫があるので、納期はトラック手配日数のみとなります。その他サイズは注文生産で、納期は8週間程度です。
| 等級 | 厚さ(mm) | 幅(mm) | 長さ(mm) |
| JAS 4級 | 9 | 910 | 1820、2440、2730、3050 |
| 1000 | 2440、2730、3050 | ||
| JAS 3級 | 12 | 910 | 1820 |
Q7-5 カナダ産とヨーロッパ産のOSBは何が違うのですか?
OSBと一括りに呼ばれていますが、産地によって原材料や製造方法などが異なります。原材料は、カナダがアスペンやロッジポールパイン中心であるのに対して、ヨーロッパではレッドウッドが主流です。また、接着剤は、カナダ産では表層がフェノール樹脂、芯層がイソシアネート系であるのに対して、ヨーロッパ産は表層・芯層の両層にイソシアネート系を使用しています。
製造方法にも違いがあり、カナダでは合板製造の延長で「多段プレス」が主流ですが、ヨーロッパではPB(パーティクルボード)やMDF製造の延長で「連続プレス」を行っています。カナダ産OSBは、大規模工場の大きな製造ラインで作られているため、大盤から効率的に使用サイズに切断できるほか、特注サイズも対応可能で、設計のバリエーションが広がるという利点があります。
カナダ産OSB製品の特徴としては、片面にメッシュ加工が施されていることが挙げられます。スタンプが押してある面は平滑で、反対側のメッシュ加工面はざらざらしています。どちらの面を表に使用しても構いませんが、屋根下地に使う場合、ざらざら面を上にすれば滑り止めに効果的です。
さらに、カナダは地理的に日本と近いので、短時間で供給できるというメリットもあります。海上輸送では、ヨーロッパからは28~35日間程度かかりますが、カナダからは7~14日間程度で運ぶことができます。
Q7-6 OSBの需要をどのように見ていますか?
北米ではOSBの供給が増加するにつれ、市場での需要も同様に増加してきました。OSBの品質も、市場が要求するものより良くなってきており、北米では住宅の構造用下地材としてすっかり定着しています。今後、日本での需要も増加していくものと確信しています。
Q7-7 APAの仕様や施工例は他の機関が認定している製品にも該当しますか?
いいえ。APAの商標は、APAの厳しい品質検査を通ったAPAのメンバーに認定されている工場で製造される製品のみに与えられています。APAの技術情報や製品施工例等は、APAの商標の製品を実験・研究した結果得られるもので、他の機関が認定した製品には該当しません。
8. OSBの試験データ
APAが公的試験機関に依頼して行ったOSBの試験データをご紹介します。
Q8-1 OSBの透湿抵抗値
APAでは、2種類のOSBについて、2009年に(財)建材試験センターで透湿性試験を行いました。試験は、「JIS A 1324(建築材料の透湿性測定方法)5.2カップ法」に従って行いました。結果は、次表の通りです。
| 試験体 | X(3体平均) | Y(3体平均) |
| 寸法(mm) | 300×300、厚さ9.6 | 300×300、厚さ9.8 |
| 密度(kg/m3) | 630 | 683 |
| 透湿量 G (×103ng/s) | 7.29 | 6.19 |
| 透湿抵抗 Zp (×10-3(m2・s・Pa)/ng) | 12.1 | 14.6 |
| 透湿係数 Wp (ng/(m2・s・Pa)) | 83.1 | 70.6 |
| 透湿率 μ (ng/(m・s・Pa)) | 0.796 | 0.691 |
| 質量含水率 (×10-2kg/kg) | 5.25 | 5.18 |
Q8-2 OSBの熱伝導率
APAでは、2種類のOSBについて、2009年に(財)建材試験センターで熱伝導率試験を行いました。試験は、「JIS A 1412-2(熱絶縁体の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法―第2部:熱流計法(HFM法))」に従って行いました。結果は、次表の通りです。
| 試験体 | X | Y |
| 寸法(mm) | 198.3×199.9、厚さ11.3 | 200.1×200.1、厚さ12.5 |
| 密度(kg/m3) | 617.1 | 611.7 |
| 質量含水率 (×10-2kg/kg) | 5.94 | 7.10 |
| 熱伝導率 λ (W/(m・K)) | 0.106 | 0.102 |
合板(密度0.55g/m3)の熱伝導率は、0.11〔kcal/(m・hr・℃)〕という文献値*があります。これは、比較しやすいようSI単位系に変換すると、約0.128〔W/(m・K)〕です。
空気は熱伝導率が小さく、熱を通しにくい性質があります。このため、材質が異なる物を一様に比較することはできませんが、一般的に密度が小さい(空気をたくさん含んでいる)ほど、熱伝導率が小さくなる傾向にあります。
OSBは密度約0.6〔g/m3〕で、熱伝導率約0.1〔W/(m・K)〕という試験結果ですので、合板と比較して少し密度が高い割には、熱を通しにくいと言えるでしょう。
*「木材工業ハンドブック改訂4版」丸善、p118、2004
