中野ぬくもりの郷

この高齢者施設は枠組壁工法と在来軸組構法、2つの工法を各々適所に採用し、快適な住空間とデザイン性を両立させている。

設計を担当した松田平田設計は、RC造の大型施設の設計を得意とするが、木材の断熱性、吸湿性、柔らかい床が転倒時のケガを回避できるなどのメリットが高齢者の住まいとして適していることから2015年以降、高齢者施設は原則木造で設計を進めている。

当施設は居室が並び壁が多くなる居住棟(3階建ての養護棟と平屋の特養棟)は壁工法が適しているとして枠組壁工法で建設。エントランス・地域交流棟は在来軸組構法とし大断面集成材を使用して天井の高い広い空間を演出し、木を露出させて温かみを感じられるよう工夫されている。防火対策として鉄骨造の渡り廊下で各棟を繋いでいる。木造の採用により、軽量化による基礎構造への負担減でコスト削減、杭基礎と比較して工期も短縮を図れた。

用途:特別養護老人ホーム、養護老人ホーム
所在地:兵庫県伊丹市
構造:3階 建養護棟 枠組壁工法 耐火構造
平屋 特養棟 枠組壁工法 
平屋 地域交流棟 軸組構法
樹種:SPF、その他
階数:3階建、平屋
敷地面積:3,770.17 ㎡
建築面積:1,702.06 ㎡
延床面積:3,212.70㎡
設計:(株)松田平田設計
施工:住友林業(株)
竣工:2022年 6月
定員:特養 9~10名×3ユニット、養護 25名×2ユニット
施主:社会福祉法人 伊丹市社会福祉事業団