枠組壁工法構造用製材を用いた新しいトラスの開発

枠組壁工法構造用製材を用いたトラスとして一般的にネイルプレートが接合具として使用されています。このネイルプレートトラスは構造的に合理的ですが2つの側面から改良の余地があります。1つは、製造するために専用の設備が必要な点です。そのためすでに設備を備えている工場で製作するのは容易ですが、設備を備えていない工場ではまず設備投資から始める必要があります。そしてもう1つは美観的な側面です。ネイルプレートトラスは接合具の金物が露出し木肌をきれいに見せるという日本的な価値観とは相容れない側面があります。カナダウッドでは現在、これらの課題を解決することができる新しいトラスの開発に取り組んでいます。

そのトラスは枠組壁工法構造用製材と構造用ビスを用いた多面せん断接合によるシンプルな接合部からなるトラスです。接合具が構造用ビスのため、特別な設備を用意することなく製作することができます。また、建築地への搬入を考慮しパーツ毎を工場で製作し、現場でそれらのパーツを接合することも容易です。2022年2月~3月にかけて実物大トラスの曲げ試験を実施しましたが、試験体は上述の考えで製作しました。構造用ビスが用いられた接合部は金物が目立たなく、木肌の美しさが際立ちます。実験の見学に参加された方々からも現しで使用したいとの声が上がりました。

今後は試験結果をまとめて、設計資料の整備に取り掛かる予定です。このトラスを枠組壁工法構造用製材の新しい使い方として提案し、ひいては木質構造のさらなる発展につなげていければと思っております。