OSB Oriented Strand Board
配向性ストランドボード
OSBとは
OSB(Oriented Strand Board: オリエンテッド・ストランド・ボード)は、北米で住宅の構造用下地材として開発された面材であり、ストランド(細長い短冊状の削片)の向きを揃えて並べて(オリエンテッド: 配向性を持たせて)作られたボードを互いに直行させて層をなした面材のことです。
原料である丸太を削片にし、これを接着剤で高温圧縮して再構成することによって、原木の利用範囲を拡大し、製材として利用不可能な材を加工することで節、繊維傾斜等の木材が持つ欠陥を取り除き、なおかつ、パネル状にすることで一定の強度を保つことができます。
その用途として、住宅・中層大規模木造建築物の屋根、壁及び床の下地材となる構造用面材として幅広く使用されています。また、内装用仕上げ材としても、そのユニークな表面表情を利用して使用される事例が近年増えています。その他には、面内せん断性能が高い(構造用合板の2~3倍)という特性を活かして、I型梁のウェブや複合構造用断熱パネル(SIP)にも使用されています。
日本に輸入されるカナダ産OSBパネルは全てJAS認定を取得しており、日本市場における普及促進活動はAPAエンジニアード・ウッド協会(APA)が担っています。APAは日本の農林水産大臣が認めたカナダ産OSBパネルを含むエンジニアード・ウッド製品のJAS認定機関(登録外国認定機関 Registered Overseas Certifying Body -ROCB)でもあります。APAの詳細はこちらから。https://www.osbpanel.org/about_apa.php
APAはカナダ産OSBパネルの大臣認定を取得しています。釘の種類や間隔を変えることによって、より高い倍率が得られます。壁については在来軸組工法で4件、枠組壁工法で2件の大臣認定を取得しています。APA大臣認定を使用する場合、カナダ産のOSBを使うことを推奨します。
在来軸組工法
製品名 | 厚み | 釘間隔 | 壁倍率 | 仕様 |
OSB | 9mm | CN50 @ 75/150mm | 4.1 | 大壁 |
OSB | 9mm | CN50 @ 100/200mm | 3.2 | 大壁 |
OSB | 9mm | CN50 @ 75/150mm | 3.8 | 大壁床勝ち |
OSB | 9mm | CN50 @ 75/150mm | 3.4 | 受け材真壁床勝ち |
枠組壁工法
製品名 | 厚み | 釘間隔 | 壁倍率 |
OSB | 9mm | CN50 @ 50/100mm | 4.7 |
OSB | 9mm | CN50 @ 75/150mm | 3.6 |
OSBの開発と普及
OSBは、1956年に北米で開発され、原木コストの上昇、合板適材の供給量の低下に伴い、1980年代初頭には構造用面材の1%であった生産量が現在では70%に急増しています。北米新築住宅市場のOSBのマーケットシェアは約80%です。
OSBの原材料
原材料にはアスペンやポプラなどの広葉樹とスプルース、ロッジポールパインやサザンイエローパインなどの針葉樹があります。日本向けカナダ産OSBは、40~70年で伐採される小径木で早期自然再生可能な広葉樹アスペンが一般的です。
これらの樹種は持続可能な森林経営により安定的に供給されています。
森林経営についての詳細は以下のリンクをご参照下さい。
OSBの構成要素
OSBの構成要素は、一片の大きさが、幅13~19mm、長さ70~130mm、厚さ0.6~0.7mmの短冊状の削片(ストランド)です。ストランドを作る時に出る廃材や樹皮は燃料として利用されるので、原木歩留まりは90%近くになります。生産に関わるバイオマスエネルギー*比率は70%に達します。
*バイオマスエネルギー:バイオマスから得られるクリーンかつ再生可能なエネルギーを指します。バイオマスには伐採された原木、枝や根などの残留物、農業廃棄物、家庭や産業の有機ゴミ、エネルギー作物などがあります。
OSBの製造工程
工場は24時間稼働で、製造ラインも大きく9フィート×24フィート(2,745mm×7,320mm)または12フィート×24フィート(3,660mm×7,320mm)のサイズのOSBが製造されています。大盤から使用サイズに切断できるので、特注サイズも可能で、設計のバリエーションが広がります。
OSBは連続プレスまたは多段プレスで製造されます。製造方法の詳細はこちらから。
OSBの特性
ストランドは繊維方向の向きを揃えて、それを直行に積層しボードにします。表層をパネル長手方向に配向、芯層はそれと直行させて配向させます。3層から5層で構成されています。配向することで繊維方向の強度を最大限に利用しています。
カナダ産OSBパネルでは耐水性・耐久性に優れた接着剤を使用しており、表層にはフェノール樹脂接着剤が、芯層にはイソシアネート系樹脂接着剤が用いられています。特にイソシアネート系樹脂接着剤はホルムアルデヒドを含まないので、カナダ産OSBパネルは「F☆☆☆☆」の表示が印刷されています。
OSBの規格
日本では、1987年に制定されたOSBの日本農林規格JAS0360: 2019「構造用パネル」があります。また、パネル表面にはAPAの性能基準を合格したスタンプが押されています。(事例は下記の通りです。)
カナダ産OSBパネルの入手先
OSBはすべて輸入材で、60~70%はカナダ産です。日本におけるカナダ産OSBパネルの入手先:
APAメンバー在日企業
ウェストフレーザーパシフィックセールスリミテッド東京事務所
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Tel:03-3432-8145 e-mail: michihiro.hiratsuka@westfraser.com