材料

2x4工法で使われる材料

2x4(ツーバイフォー)工法は、小口が2インチx4インチの規格材を主として使用することから命名されました。

構造材および筋かい等

構造用製材・集成材・エンジニアードウッドなど

各種ボード類(面材)

構造用合板・OSB・せっこうボードなど

金物

釘・ボルト・ナット・接合金物・トラス金物など

副資材

断熱材・その他

構造用製材

ディメンションランバー

2x4工法では、あらかじめ規格化され工場加工された構造用製材(=ディメンションランバー)を使用します。
2インチという厚み寸法を基準として、4インチから12インチまで2インチ飛びという簡略な寸法体系が特徴です。寸法体系の中には加工後の乾燥による収縮率も加味されており、適切な方法に人工乾燥された木材が乾燥材として出荷されています。

 

海外の規格

2x4工法にはJAS格付け材を用いることが規定されていますが、法律の改正により北米などの海外の規格の製材も使えるようになりました。
国土交通省告示第1540号により、国土交通大臣がその樹種・区分及び等級等に応じてそれぞれ許容応力度及び材料強度の数値を指定したものについては、当該材料を用いることができることになっています。北米の規格体系であるNLGAルールをはじめオーストラリア、スウェーデンの各格付けは、国土交通大臣が基準強度等を指定した枠組材として認定されています。

構造用製材に関する用語解説

SPF

スプルース(Spruce)、パイン(Pine)、ファー(Fir)の頭文字をとった呼称で、それぞれトウヒ属、マツ属、モミ属の樹種を総称します。
SPFはその植生が樹種混生の形で生育しており、樹種ごとの強度特性も非常に似通った範囲に分布しているため、カナダでは通常樹種ごとの分離を行わず、SPFという樹種群の製材として生産され、市場でもSPFとして流通しているのが一般的です。カナダの針葉樹製材規格であるNLGAルールでは、SPFという樹種群をひとつの樹種と同じような分類として扱っています。
使いやすくて節が小さく、白木系統のため加工性に富み、しかも重量比強度が非常に優れているという、建築用材として極めて重要な特性を有しています。

Jグレード

2x4住宅用製材の日本向けに用いられる品質等級格付けのこと。明文化された基準はなく、日本の2x4住宅会社ごとで少しずつ内容が異なります。通常、節、丸身などは認められず、そり、曲がりに対しても厳しい基準が設けられています。北米市場で流通する2x4構造用製材に比べ高値で、産地にとっては付加価値製材のひとつです。近年は北米のホームセンター向けでも同様の上級グレードニーズが増えています。

S-DRY( Surfaced Dry )

含水率19%以下に乾燥され、材面調整(Surfaced)が施された製材のことをいいます。
北米材において通常表記される製材の公称寸法は、生産時の合理性を考慮して挽き立て時の実寸法に近いものとなっており、乾燥材では一定の比率で収縮した実断面寸法が厳格に定められています。

KD( Kiln Dry )

人工乾燥。適正な温度、湿度、風速を人為的に木材に与えることで乾燥してゆきます。人工乾燥することで比較的短時間で乾燥でき、天然乾燥中に発生しやすい割れなどを防ぐことができます。
熱源としては、蒸気、除湿、高周波が主なものですが、近年ではコスト面などから併用するものも出ています。
人工乾燥した木材をKD材と称し、グリーン材(未乾燥材,GRN)と区別しています。

集成材

集成材とは

ひき板または小角材などを、その繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅、および長さの方向に集成接着した材を指します。これは北欧のホワイトウッド(ヨーロッパスプールス)をはじめとした、様々な樹種から作られます。

所要の耐力を目的としてひき板を積層した構造用集成材もあり、主として構造物の耐力部材として用いられます。このひき板には、幅方向に接着して調整した板および長さ方向にスカーフジョイント、フィンガージョイントまたはこれらと同等以上の接合性能を有するように接着して調整した板も含まれます。

エンジニアードウッド

エンジニアードウッド(E/W)とは

性能のバラツキが少なく強度性能が保証された木質材料です。また、未利用資源を有効活用した木質材料という側面もあります。
構造用集成材、LVL、木製I型ジョイストなどの製材代替品、OSB、構造用合板などの構造用面材もエンジニアードウッドに含まれます。また強度を明確にしたMSR製材も含まれます。
研究開発により新たなE/Wも生み出されており、LVLの製法を元にPSL、OSLなども登場しています。
 

各種ボード類

以下の材料を使用できます。

JAS規格が定める低ホルムアルデヒド構造用合板の一番厳しい等級である「F☆☆☆☆」の刻印と、接着性能が耐久性・耐水性ともに最上位の「特類」の刻印のあるCSP(カナディアン・ソフトウッド合板)
  • JASに適合する構造用合板
  • 構造用パネル
  • JISに適合するハードボード
  • 硬質木片セメント板
  • シージングボード
  • 石膏ボード
  • ラスシート
  • MDF
  • 火山性ガラス質複合板など
  • JIS A 5908に適合するパーティクルボード

構造用パネル

構造用合板

数層の単版を貼り合わせた加工パネルで、構造耐力上主要な部分の面材に使用します。2x4住宅での使用で一般化しましたが、現在では屋根下地、床下地などにも幅広く用いられています。寸法が安定しており、軽量で高い耐衝撃性を有します。また、曲げ・引張り・圧縮・せん断強さも他の木質パネルを上回っています。

材料には主として針葉樹が用いられ、北米産のものでは、シックハウス対策としてホルムアルデヒド放散量が極めて少なくJAS規格のF☆☆☆☆を達成している製品もあります。

【DFP(ダグラス・ファー合板)】
表裏面単板にダグラス・ファー(米松)が使われた合板です。
【CSP(カナディアン・ソフトウッド合板)】
ダグラス・ファー以外のカナダ西部の精選され
た針葉樹を使用。 内層に限りダグラス・ファー
が使用されることもあります。

OSB(Oriented Strand Board)

薄く細長い木片を、表面層とコア層の繊維方向が直行するように重ねて高温圧縮した構造用木質ボードです。

強度を持たせるように原木から切削した木片を使用しており、合板と同じような交差積層による強度と剛性を備えています。

北米で生産されるものは完全な耐水性を持つ接着剤で接着されており、大半のボードは出荷中に水分が木口面に溜まらないようシーラント処理されています。

【参考】APA エンジニアード・ウッド協会日本事務所ウェブサイト


せっこうボード

せっこう(石膏)を芯材とし、その両面を厚紙で覆って平らな板状に成型したボードです。(別名:プラスターボード)

耐火性、遮音性、加工性に優れ、壁や天井の内外装下地に使われます。

一般的なものに加え、用途に合わせ、防水処理済みで外壁や浴室下地に使うシージングせっこうボード、内壁や間仕切り壁に使う仕上げ不要の化粧せっこうボード、せっこうプラスター塗り壁用のせっこうラスボードなどの種類があります。

釘とボルト

2x4工法で使われる釘は、社団法人日本ツーバイフォー建築協会の業界自主規制で、4種(90/75/65/50)のカラー着色が規定されています。

部位ごとに使用する釘が規格で定められていて、施工者が見分けやすいように、着色されています。全体に着色することで、釘のすべりが良くなり、打ち込む際にもスムーズになる効果もあります。

接合金物

繋ぐ金物

受ける金物                    守る金物


ネイルプレート

「トラス」とは、三角形を単位として組まれた構造形式のことです。各部材にかかる荷重を分散させることができるため、少ない部材で安定した構造を得ることが可能です。その長所を生かして木造住宅の屋根や床を支える構造に用いられ、フレキシブルな住空間を生みだすための大きなスパンを得ることもできます。構造計算によって安全を確かめた上で「ネイルプレート」という金物を用いてトラス用木材を接合することが可能となり、工場製作による工期短縮と精度の高い部材の供給を実現しています。

トラス普及のきっかけとなったネイルプレート。 多数の釘状の突起が見られる。
ネイルプレートにより木材を緊結・接合。


断熱材

気密・断熱を重視した次世代型施工では、以下のような副資材を用いて性能を確保します。

無機繊維系断熱材

  • グラスウール(右写真)
    ガラス原料を高温の炉で溶かし、繊維化したのち、接着剤を吹き付けて加熱成型したものです。 住宅の壁や天井の断熱用にはロール状やバット状の柔らかい製品、床にはボード状、天井吹き込み用としては粒状の製品を使用します。また、施工場所に応じて規格化されたプレカット製品の使用で、現場での加工手間を無くし、施工を簡略化することも可能です。
  • ロックウール
    本来は玄武岩を溶かし繊維状にしたものですが、日本では主に鉄鋼生産の際に発生する残滓(スラグ)で作られます。
    マット、ボード、綿状の製品があります

発泡プラスチック系断熱材

  • 押出法ポリスチレンフォーム
  • 高発泡ポリエチレン
  • 硬質ウレタンフォーム
  • フェノールフォーム

木質繊維系断熱材(インシュレーションボード)

その他

防湿気密フィルム

外壁室内側で使用し、気密を確保しながら内部結露を防ぎます。JIS A 6930(住宅用プラスチック系防湿フィルム)に適合するもの、または同等以上の防湿性、強度及び耐久性を備えたものを使用します。

厚さは、地域ⅠまたはⅡにおいて建設する場合0.2mm以上、地域Ⅲ〜Ⅴにおいて建設する場合0.1mm以上とします。

透湿防水シート

外壁通気層工法の場合、雨水や外気が室内側の断熱材の内部に侵入するのを防ぐために防風層を設けます。

防風層には、JIS A 6111(透湿防水シート)に適合するシートやシージングボードを使用します。

気密テープ(補助材料)

柱や設備系のダクトなど、防湿気密フィルムの端末処理に使用します。ブチル系・アスファルト系テープやアルミテープ等を用います。


気密パッキン材

アスファルトを含浸させた伸縮性を持つフォーム状の材料です。窓まわりの気密化など、隙間が10mm以内で圧縮力がかかる部分によく使われます。


その他気密専用部材

<配管や配線が防湿気密層を貫通する部分や、外壁側に施工するコンセント部分などは、専用のプラスチック部材や気密ラバーを用いた気密テープでシールします。

シーリング材

数ミリから10mm前後の隙間など、温度変化が少なく紫外線劣化を受けない場所で、付着面の隙間の気密を確保する際に使用します。

 

 

 

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