空間を有効に活用

空間を有効に活用するSPF 

屋根架構にタルキ方式がよく用いられる2×4住宅は、小屋裏が利用できることがひとつのセールスポイント。トラス方式でもこのセールスポイントを発揮できるように導入されているのがアティックトラスです。さらにシザーズトラスや平行弦トラスも建築物のスペースを有効に活用するトラス形状といえます。

 

アティックトラスの施工事例

小屋裏利用にはアティックトラス

小屋裏が利用できるアティックトラス

アティックトラスは小屋裏の有効利用を目的に開発されたトラス形状です。通常のトラスは、上・下弦材、斜材ともに同一断面寸法の製材が使用されますが、アティックトラスの下弦材は構造計算に基づいた断面形状(寸法形式)の大きい製材が使用されます。

 

軒高の有効利用にはシザーズトラス

斜材がない部分は下弦材を太くして
積載荷重を支持

住宅というより工場・倉庫などに多用されるトラス形状にシザーズトラスがあります。このシザーズトラスは通常床面に平行に設置される下弦材に角度を付けて設計するもので、住宅に採用した場合は舟底天井のような仕上がりとなり、広さを演出できます。このトラスが住宅より大型建築物に採用されるのは、独特の天井面構成により、有効高を軒高いっぱいに設定でき、屋内の有効利用を図れるためです。日本では上・下弦材の勾配を徐々に変化させて意匠的な屋根・天井面をつくりだしている事例もあります。


平行弦トラスの施工事例

ここ数年、小屋組だけでなく床構面にトラスを使用する事例も増えています。下の現場は、5005、4550、3640mm の各スパンの耐力壁線間に455mmピッチで平行弦トラスを施工した現場です。通常2×4工法で3640mmのスパンに床根太をわたす場合は、 208@303あるいは210@455での施工となり、4550mmのスパンの場合でも210@303あるいは212@455で対応できます。構造上はトラスの必要性はないように思えますが、近年増えている高気密・高断熱住宅では、空調や強制換気のための床下ダクトの設置が必要であり、平行弦トラスはウェブ部分の空隙部にダクトスペースを自由に配置できることから、この現場でも配管スペース確保のために床トラスを採用しています。他にも、幅89mmの床トラスは置くだけで安定するので作業上も安全であり、また片手でつかめるくらい軽量であるため施工性も向上。さらに長尺幅広材を使わず規格材の204材だけで床を構成できるというメリットもあります。
 

上の現場の梁成は300mm。構造計算により
梁成を任意に設定できる点もトラスのメリット

床下を配管スペースとして利用できる平行弦トラス

 

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