カナダの森林

貴重なカナダの森林資源

全世界で1億1,700万㎥の蓄積を有する針葉樹材。この森林資源は住居などの建築物や建具・家具といった製品、あるいは書籍・新聞といった用紙の原材料として現在の私たちの生活に欠かせない素材となっています。ただし、その60%はタイガを中心とした更新が非常に難しいロシアに存在し、更新可能な地域に存在する針葉樹資源としては、まずカナダが16%、次いで米国が12%、そしてヨーロッパが8%を占めているに過ぎません。

カナダの雄大な森林資源は、代々受け継がれてきたカナダの財産であり、地球の宝物です。自然の美しさに溢れ、多様な動植物が共存し、人々の魂に語りかけ、レジャーの場を提供し、素晴らしい木製品を産出します。カナダは国土の約半分が森林です。その総面積は約4億200万haで日本の国土の11倍に値し、世界の森林面積の約10%、寒帯林の30%*を占めています。国内森林の91%は天然林で、カナダの森には180 種類もの豊かな樹木が茂っています。

そのカナダが保有する森林資源の59%にあたるものが、カナダ西部のブリティッシュ・コロンビア(Province of British Columbia、BC)州とアルバータ(Province of Alberta)州に生育しています。それだけに、この貴重な森林資源をどのように活用し、保持して次世代に引き継いでいくかは、BC州、アルバータ州の森林政策にとっても、以前から大きな課題でした。

また、カナダの森林は、近年減少の危機に直面しているマウンテンカリブやハイイログマなどの種も含む約9万3000種もの動植物や微生物の生息地であり、生物多様性にも富んでいます。カナダ政府は1992年に国際連合の生物多様性条約に署名批准し、以来、生物多様性を最優先事項として生態系の監視と保護活動に取り組んでいます。

*出典:FPAC2010

【カナダの森林地域区分】

カナダの森林地域区分