ナーシングホームはるかぜ(特養)
日本有数の温泉保養地、大分県別府市。海と山が近く、昔ながらの路地や家並みもたくさん残されているこの街の住宅街に『はるかぜ』は立地しています。一つの敷地に3棟ある施設の中で、左右シンメトリーで日本的な縦の格子をあしらったウッディな外観。
地球環境にやさしいCO₂の削減を目指し、木造耐火の2×4工法を採用。また太陽光発電システムを採用することにより建設コストの低減とランニングコスト低減の双方を実現しています。幅の狭い道路に接道する敷地に、いかにして”心地よい住環境”のユニットケアを作れるかをテーマにした4層(3階+ロフト)の建物 です。
『はるかぜ』の介護サービスの中で、ナーシングホーム(介護老人ホーム)としてユニットケアを行なっているこの建物は、2009年に新たにツーバイフォー工法によって建てられました。50床を擁し、癒しへの数々の工夫が施されたこの木の家で、介護をめぐるドラマはどのように進展しているのでしょう。皆さんの“五感の体験”をお聞きしました。
ナーシングホームはるかぜ
インタビュー
ここはたしかに木のぬくもりを感じる。うん、落ち着く。
Nさん(お父さまが入居されて10年)車いす生活が6年になるお父様。転倒の回数がだんだん増えてきたことが気がかりで、Nさんは89歳になられるお父様をこの木造の施設に移されました。
「以前にいたところも個室でしたが、これ以上足が悪くなってもよそに移らなくてもいいようにと、こちらの施設を希望しました。木の床であれば転倒しても骨折の危険性は低いという説明は受けていましたが、実際に入居前に館内を見てみてびっくりしてしまいました。居室は自宅のように家庭的ですし、それ以外のすべての場所がホームのイメージからはかけ離れた、高級な宿泊施設みたいだったんですから。」
ふだんはあまりしゃべらないというお父様も、この建物の感覚については静かな口調でおしえてくださいます。
「前の部屋は夜、鉄筋が冷えるんよ。ここはたしかに木のぬくもりを感じる。うん、落ち着く。」
2010年の4月にこちらに入居されて2カ月。前の鉄筋の部屋では6月になるとクーラーをつけていたのに、今は風通しがよく涼しいので、つける必要がないと満足そうにお二人は微笑みます。しかし、移ってきたばかりでまだ話し相手がいなくて、ちょっと寂しいとお父様の本音もすこし。
「だから今はもっぱら部屋でテレビばっかりでな。スポーツとか。自分の部屋みたいだから、テレビの見ごこちはいいけど。」