グランダ鵠沼松が岡(有料老人ホーム)

海風をかすかに感じる高級住宅街の中を歩くと、雑木林が目に入ると同時に見えてくるのがグランダ鵠沼松が岡です。「隠れ家的リゾートのような安らぎと心地よさに満ちた住まい」をコンセプトに、敷地内にもともとあった塀・樹木は極力残し、屋敷林が生い茂る閑静な高級住宅地の景観に溶け込むような施設としました。周りの邸宅と比べても高級感を漂わせながら、かといって決して威圧的でもなく、突出した違和感も醸し出さない調和性は知識人の別荘を彷彿とさせます。

内装はモダンでありながら木質感を要所に出し、光・風などを多く取り入れ、入居者が湘南の豊かな自然環境を感じられるようにしました。一歩中に入れば、まず足が違いを感じます。木造ならではの床の優しげな感触。そして、生け花やネームプレートなど、そこかしこに「和」のイメージが活かされ、その統一感が落ち着きを生んでいます。開設後1年。四季の移ろいを一巡りしたグランダ鵠沼松が岡の働き心地を聞いてみましょう。

グランダ鵠沼松が岡

用途: 有料老人ホーム
所在地: 神奈川県藤沢市
構造: 1・2階枠組壁工法 木造準耐火構造、地階RC造
敷地面積: 2908.01㎡
建築面積: 2242.33㎡
延床面積: 2242.33㎡(1階/1088.87㎡、2階/1088.56㎡、地階/64.90㎡)
設計: 日土地綜合設計(株)
施工: (株)ヤマムラ
竣工: 2009年 2月
施設定員: 定員58名
設計期間: 2007年 3月 ~ 2007年 7月
施工期間: 2008年 7月 ~ 2009年 2月

インタビュー

木造の良さを確認しました。

株式会社ベネッセスタイル ケア スペースデザイン部 部長 米須 正明さん

私の部署は、建物の全般を扱う部門で、企画・管理・メインテナンスも全部やっています。施設を木造で作ってみようという計画は、5年くらい前からカナダ林産業審議会の方々と検討していました。木造のツーバイフォーで、技術的に防火地域で耐火建築が建てられるようになったんです。うちの老人ホームでも、木造にすることでのコストメリットだとか、工期が短縮できるとか、そういったところを一緒に研究していまして、5年くらい前にモデルプランを作って、コストも弾いたりして、どこかでそれを実現させるチャンスをと考えていました。大規模建築の中で、木造の良さ、温かみとかがあるんじゃないかと考えたわけです。そこで、今回、この物件が出てきて、この場所は、準防火地域なので、木造でも全然問題がなかったんです。で、やってみようと。

もともと、木造でやるならせいぜい2階建てだと思っていたんです。私たちの事業というのは、9割方テナント。われわれが発注主ではなくて。オーナーに建ててもらって借りるという形なので、こちらから積極的にこれでやらせてくれというのはなかなか難しい部分はあります。ですが、われわれの木造建築に対する思いに共感してくれるオーナーがいて、いろいろな条件の中で木造がいいねということであれば、木造を推奨していきたいとは思います。今回、身をもって木造の良さを確認できたのですからね。

開設して1年が経過したことで、断熱性能だとか、木造の良さを示す実証的なデータを集めてみるつもりです。エコで温暖化対策という大きな話の中ではありますが、木材を積極的に使うことで、逆に、山林をきちんと育成するというようなことがありますよね。もっと身近なところで、エンドユーザーが居心地よく暮らせるかというところの実証的なデータがほしいですね。そういう意味では、永原さんが言っていた、転倒しても骨折ゼロという話は大きいと思います。

ここまでの1年間は、いい感じできています。ほぼイメージしたように展開しています。