木造軸組工法の水平構面に枠組壁工法用製材を用いる

枠組壁工法構造用製材が対象となる用途は従来ツーバイフォー工法建築物に限られていました。それがいま、木造軸組工法建築の分野で住宅設計者と施工者の間で注目され需要を伸ばしつつあります。

1. 四号建築物を仕様規定により設計する場合

四号建築物について、建築基準法施行令第3章第3節の仕様規定に基づいて設計を行う場合は、耐力壁軸材(間柱・受材等)および水平構面軸材(根太・たるき等)の断面に関して、特段の規定は存在せず、それらの軸材にディメンションランバーを適用することについて問題はありません。

2. 許容応力度計算により設計する場合

枠組壁工法構造用製材204材などを用いて構成する水平構面は、(公財)日本住宅・木材技術センター(以下、住木センター)発行の「軸組工法住宅の許容応力度計算」(以下「グレー 本」)で許容せん断耐力が定められる仕様に適合しません。さらに、グレー本の「3.5 面材張り床水平構面の詳細計算法」及び「3.6 面材張り勾配屋根水平構面の詳細計算法」の部材寸法の規定も満たしていないため、許容応力度設計の際に必要となる水平構面の許容耐力が設定できず、許容応力度設計に用いることができません。

そこで、枠組壁工法構造用製材を用いた床水平構面及び勾配屋根水平構面の面内せん断試験を国土交通省 の指定性能評価機関で実施しました。試験結果に基づく短期基準せん断耐力⊿Po[kN/m]も評価していただきました。また、当該水平構面に対して仮に詳細計算法を適用できるものとして、短期許容せん断耐力⊿Qa[kN/m]を算出しています。試験結果に基づく短期基準せん断耐力 ⊿Po[kN/m]と比較しています。試験で求めた基準せん断耐力とグレー本の詳細計算法による計算値を比較し、204材、206材および208材を用いる水平構面の詳細計算法の 妥当性を確認しました。それらの結果をまとめ、許容せん断耐力の詳細計算法の任意評定を取得しました。

また、評定の解説書として「床構面・勾配屋根構面の構造設計マニュアル」を作成しました。このマニュアルはグレー本の内容の一部を発展させたものであるため、住木センターに監修作業を行っていただき、「監修のことば」もいただくことがで きました。グレー本の発行元から監修を受けたことで、本マニュアルはグレー本の附属書のような位置づけとなり、確認申請業務などを円滑にすすめるための一 助になると考えています。

2017年3月、2017年版の新しいグレー本が住木センターから発刊されました。これにともない、弊会はグレー本の改訂点を構造計算マニュアルに反映させ、改めて住木センターの監修をいただきました。 

詳細計算法の実行にあたっては、補助ツール(Microsoft Excel を利用)を用意しています。このツールを用いれば、屋根勾配、たるき・根太間隔など、物件毎の個別の仕様を入力して結果を得ることができます。なお、補助ツールの内容にはグレー本改訂にともなう変更点はありません。 補助ツールをご希望の方は、弊会日本副代表 麓(ふもと)までご連絡ください。

【詳細】 添付資料「木質構造評定書」「評定申請図書」

【参考】 勾配屋根構面の詳細計算法適用例

【参考】 床構面・勾配屋根構面の構造設計マニュアル(住木センター2017年監修版)

【参考】 添付資料「SPFディメンションランバー「木造軸組構法における使い方」(四号建築物の場合)